遅めの桜を求めて秩父徘徊した4月

さいたま近隣紀行
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Einst war der Frevel an Gott der grösste Frevel, aber Gott starb, und damit auch diese Frevelhaften. An der Erde zu freveln ist jetzt das Furchtbarste und die Eingeweide des Unerforschlichen höher zu achten, als der Sinn der Erde!

Friedrich Wilhelm Nietzsche [Also sprach Zarathustra]

かつて最大の罪は神に対する罪であったが、神は死に、これらの罪人も死んだ。今や、自然を冒涜することは最も恐ろしいことであり、自然の心より不可解の営みを尊ぶことだ!

DeepL先生 訳

不可解な市場頼みで見通しの悪いFIRE計画に疲れたじじいが神仏頼みや現実逃避をする内容です。

 

 このところでは記録的に桜の時期が遅かった2024年桜シーズンですが、さすがに4月10日を過ぎると、関東の真ん中あたりではだいぶ散ってきました。

 なので、標高が高いところを目指して朝から西武電車に乗ってお出かけします。

FIREじじい
FIREじじい

なお、写真のラビューは単なる通過待ちに撮ったもので、じじいは鈍行です

たぬきましん
たぬきましん

金券ショップで買った株主優待だもんね

 そして、駅前ですでに桜が咲いている横瀬駅で降りてみます。くどいようですが、乗ってきたのは左の特急ではなく鈍行です。

 ここからあるいて秩父方向に向かって、横瀬と秩父の境にある羊山公園へ

 公園に向かう道ですでにインスタにアップできそうな光景が広がっています。

FIREじじい
FIREじじい

でも人が全くおらん!

たぬきましん
たぬきましん

ほとんど散ってる上野公園にはあんなに居たのにね

  公園内の桜も、まだ満開と言って大丈夫な咲きぶりで、武甲山の山肌によく映えます。なお、こちらの写真はオリンパスのミラーレス(すでにディスコン)で撮ったものですが

 同じアングルからXに投稿したスマホ画像の方が、彩度が高くて見やすいような……

たぬきましん
たぬきましん

撮った人の腕が良くないだけだよね

FIREじじい
FIREじじい

被写体は申し分無いんじゃがのぉ

 桜を観るだけなら、すでに満足できる光景を観てしまいましたが、まだ早い時間なので歩くことにします。

 目指すのは、山のてっぺん一帯が桜で覆われている美の山です。なお、普通は秩父から電車かバスで行くはずですが、暇で金欠なので歩いて行きます。

 歩きだからこそ、乗り物からは観られない桜のある光景を楽しめるというものです。

たぬきましん
たぬきましん

モノは言いようだよね

 美の山のふもとにあるのが秩父巡礼の第一番札所となっている四萬部寺です。

 お寺のページを見ると、紅葉の時期が推しのようですが

 本堂の造りはとても凝っていて、中には極楽の図があり

 さらに、今年の干支である龍の図が天井に描かれています。

FIREじじい
FIREじじい

昇り龍効果でわしの運気も上がるはずなんじゃ

たぬきましん
たぬきましん

風評被害が出ちゃうよ

 辰年でなくとも、それぞれの干支に応じた菩薩様が祀られています。

 今回は札所めぐりではないため、2番方向ではなく山を登りはじめます。

 林道沿いにいろんな種類の桜や桃の花が咲き乱れています。

FIREじじい
FIREじじい

じゃが、人がおらん!

たぬきましん
たぬきましん

林道だけの場所に人が押し寄せたら悲惨だよ

 林道を外れたところで、由緒ありげな蔵の脇に桃の花が咲いていて、その向こうに武甲山が見えます。

FIREじじい
FIREじじい

わりとインバウンドの好みそうな風景なんじゃがのお

たぬきましん
たぬきましん

こんなところにまで来られるのはじじい並みのヒマ人だよね

 なお、じじいは乗客がほとんどいない地元バスでチヴィタ・ディ・バーニョレージョに行ったことがありますが、たどり着いてみたら新婚バスツアーできていた韓国人グループしかいなかった記憶があります。(微妙な自慢 あと、円高バンザイ)

 登り続けて頂上部分にたどりつくと、そこは公園になっています。標高が高いだけあって、まだ桜が見頃のままで咲いていました。

 神社に参拝しようとして道を間違えたりしつつ、桜は堪能いたしました。

 山道を下ったところに建っている萬福寺というお寺の枝垂れ桜も見事に咲いていました。

 ここから、荒川を渡って長瀞へ

  北桜通りという桜並木のある通りではまさに桜吹雪となっていました。

FIREじじい
FIREじじい

なお、この投稿に町の観光協会アカウントから「いいね」がついた模様

たぬきましん
たぬきましん

暴落ネタ絡めたのに大丈夫だったのかな

FIREじじい
FIREじじい

押し目だったのにちっとも買えていないからセーフ

 この投稿の動画では分かりづらかったのですが、この直後に

 生成AIで無理くり作ったらこんな画像ができそうな具合の桜吹雪が撮れました。

FIREじじい
FIREじじい

生成AIなら、右正面のカメラマンは入れんじゃろうのぉ

たぬきましん
たぬきましん

向こうのカメラマンもじじいが構図に入って失敗だと思ってるよ

FIREじじい
FIREじじい

これは狙って撮れないのでアイキャッチに使わせてもらうわ

 岩肌にツツジが咲いている荒川の渓谷を越えて再び対岸へ

 坂を登っていると、人の気配があまりしない集落に花が咲いています。

FIREじじい
FIREじじい

なお、このアングルのところまで来たということは、道を間違えていた模様

 秩父盆地を見下ろす稜線まで来ると、林道沿いに桜が植えられており標高があるだけにまだ見頃でした。

FIREじじい
FIREじじい

もちろん、人はいない

 この桜(天空の桜回廊というらしい)をくぐって進むと

 狼の狛犬が両脇にある参道に行き着きます。

 この参道は釜山神社のものです。プサンではなく「かまやま」です。

 狼の狛犬はサイズもデザインもいろいろあります。狛犬が狼なのは秩父地方の特色ですが、ここま三峯神社に次ぐ規模で設置されているとか。秩父の入口に位置しているだけに、余所との違いを際立たせているのでしょうか。

 真新しく見える像ですが、生誕を記念された方が今年ご就職されたというニュースが流れており、時の流れを感じてしまいます。

FIREじじい
FIREじじい

記念になることはついこの間だった気がしたんじゃがのぉ

たぬきましん
たぬきましん

歳を取ると時間の流れが早くなるよね

 社務所に人はいませんでしたが、おみくじは自動販売機で売っていました。境内はきれいになっているので、人の手は頻繁に入っているようです。

 本殿はシンプルですが、いろいろと縁起の良さそうなものが飾られています。

 山の上にあるのに「神威輝四海」と掲げているのはその威光が伺われます。

 拝所の脇に置かれていた縁起物。七福犬に加えて狐というのは、秩父の神社アイデンティティ的にどうかという気も……

FIREじじい
FIREじじい

ご利益があればなんでも良いんじゃ!

  せっかくなので、奥の院を目指すことにします。本殿から進んだところに休憩場所があり、このまま進むとヤマトタケルノミコトが水を汲んだという「大和水」まで行けるとありますが、基本的には道が荒れているので行かないほうが良いそうです。

FIREじじい
FIREじじい

昔は川沿いに道なんかないから山道だったんじゃのぉ

たぬきましん
たぬきましん

そもそもヤマトタケルが実在かどうかは

 ヤマトタケルに類する働きをした人がいないといろいろ説明ができないので細かいことは良いのです。

 奥の院までの道は大したことがないと高をくくっていましたが、なかなかどうして急な岩場の連続です。

FIREじじい
FIREじじい

ヤマトタケルもこんな苦難を越えていたのか

たぬきましん
たぬきましん

じじいは整備された道があるのに見落としていただけだけどね

 小さな狼の狛犬に挟まれた祠が奥の院です。「山伏釜」という由緒のある釜があるのかと思いましたが、横にある山頂の標識に「釜伏山」とあるので、釜山神社にも随所にあった、山の名前だということが判明しました。

 お参りも済んだので、林道に戻って先を急ぎます。

 ほぼ山頂部分の稜線ですが、山頂部分にこういう太陽光パネルが広がっている光景は景観のみならず、治水や治山的に大丈夫なのかという気になる光景です。

 稜線を越えて東側に下ると

 「花桃の里」と言われる東秩父村の大内沢集落に着きます。

 花桃もまだ残っており、桜は散りはじめですが観光客の姿はありません。

 花桃の時期には駐車場が満杯になる展望台ですが

 他に誰もおらず、展望台そばにある満開の桜を独り占めできました。

 展望台から見える風景も、斜面に沿ってできている集落の至るところに桜や桃が咲いていて、この時期ならではを楽しめます。

FIREじじい
FIREじじい

わざわざ人混みに行かなくても良いんじゃ

たぬきましん
たぬきましん

人混みになる場所もなるだけの意味はあるんだけどね

 さらに坂を下って、わずかに桜が残る寄居の鉢形城跡へ。

 関東では早咲きの一本桜で知られている「氏邦桜」はほぼ散ってしまっていました。

FIREじじい
FIREじじい

よーく見てみると、手前にすこーしだけ残ってるんじゃ

たぬきましん
たぬきましん

さすがにお花見には向かないよね

 鉢形城自体が100名城で防衛施設が保存されている城跡ではありますが、ここまで40km以上歩いて疲労困憊状態なのでまたいずれ。

 ちょうど日没となった時間に鉢形駅にやってきた電車で帰ります。

FIREじじい
FIREじじい

乗り継いだ電車が意外にも豪華でびっくり

たぬきましん
たぬきましん

でも、大して遠くまで乗らないんだよね

 元々は有料車両だったようですが、追加料金でも乗れるようになったのはそんなに乗車時間が……このまま家まで帰れるなら乗り続けたかったのですが、川越で乗り換えて帰宅です。

ご利益メモ

【訪問先】 四萬部寺

【宗教宗派】仏教曹洞宗

【創建】  1007年

【祭神本尊】聖観世音菩薩

●来訪メモ

 秩父三十四箇所札所の第一番となるお寺。巡礼用品はこちらで揃えることもできるらしい。小川町から山を越えて来ると、このあたりで秩父に入るので鉄道ができる前はこのあたりから秩父のエリアだったのかもしれません。鉄道アクセスを考えると最寄り駅からかなり離れています。写真を見ると紅葉の頃は凄そうですが、桜の時期でも周囲や美の山の風景も含めて見どころ満載です。

ご利益メモ

【訪問先】 釜山神社

【宗教宗派】神道

【創建】  不詳(6世紀初頭とも)

【祭神本尊】大口真神

●来訪メモ

 断崖絶壁の荒川を避けて秩父へ入る山越えルートで秩父の入口となる場所に鎮座する神社。秩父神社、三峯神社と同じくオオカミを祀っている。このオオカミはヤマトタケルにも由来するらしく、近くにある大和水や粥新田峠の名前の由来とともに東国の足跡でもある。釜伏山の由来もヤマトタケル伝説らしいけど、その時系列に突っ込んではいけない。wikiでは大口真神のページで言及があるものの、ここでリンクされているページは和歌山にある同名の神社となっています。大口真神は、ヒトに道を示して厄を避けてくれるそうで、道に迷って厄に苛まれるじじいにとってはご利益にあやかりたい神様であります。

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