記事を鵜呑みにせず、投資はご自身の判断で行ってください。 また、記事内にある投信をお勧めするものでもありません。
なんだか楽しくなってきたので、前回に引き続き机上の空論に走ります。

旅行に行く前の計画が一番楽しい
前提条件
今回は式を若干変更してみました。(無料なのにNORM.INV関数も使えるLibreOffice様ありがとう)

インフレ率は年2.5%で税金は30%という点は前回とおなじです。
開始時点の資産を下回った場合は、税金(30%)は徴収されないものとする
税金が上がるのは織り込んでおきますが、投資による増加部分だけ取られることにしておきます。
これで、「生存率」は若干上昇する計算です。 なお、NISAは考慮しておりません。
前回のおさらい
・インフレと税金を考慮すると、4%ルールは危うい。確率的には3%が割と現実的
資産が増えることは良いことですが、増えた分には税金がかかることは、どの記事でもあまり考慮されていないはずです。
むしろ当初資産4%ルールを使うのであれば、原資産の利益を4%を切り崩した場合、手元に残るのは3.07%となるので、事実上使えるのは3%と考えるのが精神衛生上正しいはずです。

つまり、世の中のFIRE記事は税引き前でしか見ていなかったんじゃよ!

な、なんだってー(棒)
って、NISA以外の言及ってあまりないよね
・3%では心もとない場合、ハイリスク商品でワンチャンあり
当初資産の10%とインフレ分を取り崩す場合、レバナス並のリスクとリターンがあれば生存の余地が出てきます。ハイリスク・ハイリターンというのは印象通りですが、再現性はありません。
・同じ3%の場合、標準偏差が小さいファンドの方が生存率が高い
ある程度のリターンがあれば、大きな下落が無い代わりに大きな上昇もない、そんなファンドの方が30年生存率は高まります。50年まで考えるとさらにリターンが必要です。

ワシは静かに暮らしたいだけじゃのに

ベアに手を出したことをあの世で侘び続ければいいよ
それはシーズンが違います。
バランスファンド3%計画
長期的に見た場合、株60:債券40という配分が定番だったはずです。
しかし、2022年に債券相場が崩壊していますが、去年の株がカバーしてくれているので結果的に債券と株式が混じったファンドの変動はマイルドになっています。
株も米ドルも高すぎるため、債券を買わざるを得ない事情もありますが、債券が多めのファンドはそれなりに変動率が抑えめであるため、私もNISAつみたて枠で買っています。
この中で買っている
の設定来数値を使って算出した結果下記のとおりとなります。
当初年間使用額 | 240 |
当初調達額 | 8000 |
リターン | 6.10% |
標準偏差 | 8.44% |
インフレ率 | 2.5% |
30年間生存率 | 87.65% |
30年経過時中央値 | 21,217 |
設定が2015年で危機らしい危機がコロナしかないため、アイキャッチ画像に表示したとおりリターンを5.5%に落として計算した場合の生存率は約8割となります。

チャイナショック?
聞かない単語じゃな
3%ルールの場合、十中八九大丈夫な計算になります。
老舗ファンド3%計画
初期の記事(この記事自体も初期の記事である……はず)で言及したとおり、大和コネクト証券はSBIや楽天の通常ユーザーが買えないセゾン投信の取扱いがあります。
その後の記事に書いたとおり、FANG+やNASDAQなどのインデックスがリターンを見ると良いことに間違いはないのですが、シャープレシオを見るとセゾン投信のアクティブファンドも健闘しています。
このうち、信託報酬が低いグローバルバランスファンドについて、設定された2005年以来のリターン5.00と標準偏差12.05を使ってみます。
当初年間使用額 | 240 |
当初調達額 | 8000 |
リターン | 5.00% |
標準偏差 | 12.06% |
インフレ率 | 2.5% |
30年間生存率 | 65.02% |
リーマンショックを経験したからか、リターンは低めで標準偏差高めとなり生存率は3分の2程度となりました。
一見して不利に見えますが、1世紀に1度レベルの危機を乗り越える場合はこの数字がリアルなのかもしれません。前回記事で使った10年間のスコアなら生存確度が高い選択肢になり得ます。
上記の4資産ファンドと違って、国内債券という値下がり圧力が高い資産が少ない点は今後へのプラスです。今となっては報酬高めではありますが。
BDCファンド3%計画!?
で買ってみたBDCファンドについても数字を当てはめてみました。
当初年間使用額 | 240 |
当初調達額 | 8000 |
リターン | 8.14% |
標準偏差 | 23.58% |
インフレ率 | 2.5% |
30年間生存率 | 77.07% |
30年経過時中央値 | 43,013 |
リターンは高いのですが、標準偏差も高いのでバランスファンドよりも生存率が低くなるようです。
このファンドの償還期限は2032年なので、30年先まで考慮できないオチが付きます。
標準偏差はNASDAQ100といい勝負ですので、数字だけ見ると10%取り崩しルールでも6分の1くらいの確率で30年間生存できます。今後も出来るかは不明です。

じゃあ、レバナスの方が……

普通の株とは違う動きをしているからヘッジになるかもしれなし
レバナス10%計画
追い風参考としてレバナスも設定来数字(加工なし)で算定してみます。
当初年間使用額 | 800 |
当初調達額 | 8000 |
リターン | 26.23% |
標準偏差 | 43.08% |
インフレ率 | 2.5% |
30年間生存率 | 76.65% |
30年経過時中央値 | 8,462,251 |
なぜか、他のパターンで3%ルールを使った場合と同等くらいの生存率が出てしまいました。

10%取り崩しってことは
3000万円用意すれば300万使えるってコト?

バブル状態の数字を前提にするのは危険すぎるよね
2020年4月以降の動きが続くはずはないのであくまで机上論です。

年間180万円生活を目指せば、NISAくらいの資産額でももしかして

NISAにレバナスは使えないけどね
当初年間使用額 | 240 |
当初調達額 | 8000 |
リターン | 26.23% |
標準偏差 | 43.08% |
インフレ率 | 2.5% |
30年間生存率 | 97.81% |
このリターンがあれば、3%取り崩しパターンでほぼ安全、かつ50年生存率もほとんど変わらなかったりします。
きっと、前提条件がありえないのです。

やばい、価格調整があったらちょっと欲しくなってきた

喉元すぎると熱さを忘れるのぉ
SP500の3%計画
為替を考えなかった場合、SP500の設定来リターンは10.7%、標準偏差は18.4だそうなのでこれを使って算出すると
当初年間使用額 | 240 |
当初調達額 | 8000 |
リターン | 10.70% |
標準偏差 | 18.40% |
インフレ率 | 2.5% |
30年間生存率 | 94.76% |
30年経過時中央値 | 136,705 |
50年間生存率 | 92.53% |
50年経過時中央値 | 965,064 |
と、良く言われてきたことの追認となり、オチもなにもない結果になります。
前回記事で使ったのは日本円建てだったのでかなりブレが生じますが、ドルベースで考えると4%ルールはかなりの再現性のように見えます。
ここで恐ろしいのは、今の円安水準を考慮すると無条件で2割くらいは資産が減っても不思議ではない為替の状況です。

だいたい逆に動くから
じじいが手を出せないでいるうちにもっと円安が進むかもね

去年の1月にドル転しておくんじゃった……
昨年末に141円でドル転して、すぐに手放す程度の相場観なのでチャンスを活かす能力がないことは自覚しています。
結論
・SP500はドル建てで考えると生存率が高い
・円建てならバランスファンドもかなり生存率が高い。でも、大きな下落局面は未経験
・状況によってはNASDAQもあり、レバも買っておけば自分のFIREが近づいたのに